彼女と仲睦まじくギフトショップへ行った時の話

もうつきあって半年になる彼女と、先日初めての喧嘩をした。きっかけは些細なことだったのだが、お互い一歩もひかない大攻防。別れることまで頭に浮かんだのだがそれが逆に功を奏し、仲直りした時には2人とも喧嘩前より一層お互いの大切さを感じ、結婚まで意識できることとなった。今まで通りのデートをしていても、子連れの若夫婦を見かけては自分たちのことを想像してにんまりとし、新築住宅の前を通りかかれば庭でくつろぐ自分たちの姿を思い浮かべたりした。

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友達の誕生日祝いを買いたいという彼女につきあって、センスが良いことで知られるギフトショップへ出かけた時も、お友達の誕生日プレゼントを探すつもりが、結婚式の引き出物コーナーや内祝いコーナーで、ついつい仲睦まじく足を止めてしまう僕たちだった。そんなコーナーの片隅に、商談ブースが設けられていて、店員さんと何やら話し込んでいる男性客がいる。彼女が気に入った数々のタオル類が置かれているそばだったので、立ち聞きするつもりはなくてもなんとなく話が聞こえてきてしまう。どうやらその男性客は引き出物キャンセルの相談をしているようだった。

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結婚することが決まっているフィアンセの彼女と大喧嘩をしてしまい、結婚式もキャンセルになりそうだという深刻な話だ。お店の店員さんは、それなら早い方がいいと速やかに手続きを進めたいようなのだが、当の本人は未練がましく、話しても意味のない相手に自分の反省点や相手の強情さを愚痴っている。要するに未練タラタラなのだ。それならばせめて引き出物の品を、ギリギリまでキャンセルが効く、もっと融通の効く商品に変更しておくのはどうかと店員さんに薦められても、自分と彼女の名前やメッセージが入った品は、彼女の希望だから変えられないと頑張る。

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とても素敵な雰囲気のお店なのに、縁起でもない男性客がそこに居座っていたので、ちょっと印象に残ってしまった。